中途半端だから良い 21ツインパワーXDを3年使った結果と25ツインパワーXDの搭載テクノロジー予想

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シマノの4大汎用機と言えばステラ、バンキッシュ、ツインパワー、そしてストラディック。

2024年、ツインパワーとストラディックSWがモデルチェンジを果たし注目を集める中、忘れてはならない、ストラディックよりも上位の立ち位置にありながら不遇な評価を受けている汎用リールがあるのをご存知でしょうか。

それは21ツインパワーXD

ツインパワーという大人気モデルの系譜を受け継いでいるにも関わらず、他の4機種に比べなぜ人気がないのか、その背景を踏まえながら21ツインパワーXDのネガティブな面、そして魅力を解説します。

ツインパワーXDの歴史は浅く、ツインパワーシリーズをベースとして2017年に初めてリリースされたモデルで、そのコンセプトは「過剰なまでの耐久性」(extreme durability)。

当時、リールに求められていたものは剛性力やパワーから、より軽量でストレスなく扱えるものに移行していく時期でした。そのような時代背景の中、汎用機としてはステラを除く最後のフルメタルボディを搭載したリールがこの17ツインパワーXDです。

現在では強化プラスチックと金属で構成される、いわゆる半プラボディが主流となっており、シマノのリールではフラグシップである22ステラ以外にフルメタルボディのリールは存在しないため、17ツインパワーXDは今でも根強い人気を誇っています。

ツインパワーXDを語るうえで欠かせないのがコアソリッドクイックレスポンスという言葉。

シマノの汎用リールは大きく2つに分類されます。

1つ目は剛性力やパワー、耐久性を重視して作られたコアソリッドシリーズ。初動は重く感度やレスポンス性に欠けるものの、重量のあるジグや水の抵抗を受けやすいメタルバイブなどは特に扱いやすく、また、高い剛性力によりパワーファイトにも優れています。

このコアソリッドシリーズに当てはまるリールはステラ、ツインパワー、17ツインパワーXD、ストラディックなどが挙げられます。

そしてもう1つがクイックレスポンスシリーズ

ヴァンキッシュを代表に、ヴァンフォードやシーバス専用機であるエクスセンスなどがこれにあたります。

クイックレスポンスシリーズの特徴は、その名の通りレスポンス性に特化しており、巻き出しの軽さや水流が手に取るようにわかる感度の高さ、操作性の良さが挙げられます。

そして、このどちらのシリーズにも分類されないリールが21ツインパワーXDなのです。

21ツインパワーXDがどのようなリールであり、どのような特徴を持っているのか、次の表を用いて説明しましょう。

※C2500S以下の番手はアルミニウム、それより上の番手はマグネシウム

19ヴァンキッシュ、20ツインパワー、21ツインパワーXDの技術特性比較表です。

上記から解るように、搭載テクノロジーは19ヴァンキッシュも21ツインパワーXDもほぼ変わりません。

中でも注目は21ツインパワーXDにマグナムライトローターが搭載されているところ。

マグナムライトローターを象徴するMGLのロゴ

マグナムライトローターとは、ローターの剛性を維持しつつ慣性モーメントを低減化させることで操作性と感度を向上させた、クイックレスポンスシリーズにのみ採用されている技術特性になります。

また、スプールリングは18ステラSWに初めて搭載されたバリアコートスプールリングにより、ヤスリでも傷をつけることができないタフな仕様となっていて、耐久性への配慮も忘れてはいません。

ハンドルノブは標準でラウンドタイプが採用されており、その重量を加味しても20ツインパワーより軽く、19ヴァンキッシュに次ぐ245gとなっています。

ボディが半プラ化された恩恵もあって、ツインパワーという名が付きながらその仕様はヴァンキッシュのように、クイックレスポンスシリーズに近いものとなっていることが窺えます。

スプールリングは3年経った今でも目立った傷なし

以上のことから、21ツインパワーXDは、ツインパワーの剛性力・耐久性を残しつつクイックレスポンス性も取り入れた、よく言えば両方の特徴を兼ね備えた唯一無二のリール、悪く言えばどちらにも振り切れない中途半端な性能をしている、ということになります。

ここで思い出して欲しい、ツインパワーXDの「過剰なまでの耐久性」というコンセプト。

17ツインパワーXDはそのコンセプトにふさわしく、フルメタルボディが搭載された耐久性・剛性力・パワーを備えた、強さを象徴するリールでした。

軽さこそ正義という、世間の評価によって主流となっていたボディの半プラ化に反し、21ツインパワーXDもフルメタルボディで登場すると期待されていましたが、フタを空けてみれば上記のような性能として登場したため、相反したコンセプトが足を引っ張ってしまい中途半端なリールという印象をユーザーに植え付けてしまうこととなりました。

ツインパワーXDというネームバリューを棄て、新たなネーミングで発売されていれば、このようなネガティブな印象が先行することはなかったでしょう。

シーバス、根魚、マダイ、フラットフィッシュ、ブリなどの青物といった、身近な漁港から十分に狙え得る魚をターゲットに、シーバスロッドやサーフロッド、ライトショアジギングロッドに組み合わせて3年以上メインウェポンとして使用してきました。

これらの魚を獲るためにはジグ・プラグ・ワームなど、いろんな種類のルアーを操る必要があります。

軽量なものを挙げれば10gにも満たないリグを、重いものであれば50gもあるジグやプラグを使用しなければなりません。

21ツインパワーXDは、この範囲のルアー全てをストレスなく扱うことができます。

ヴァンキッシュであれば、50gのジグや波動の強いメタルバイブでは巻き重りを感じていたでしょう。ツインパワーであれば、フローティングミノーやワーミングで、水流やショートバイトといった細かな情報がリーリングから読み取れなかったことでしょう。

ときには80㎝を超えるヒラメやブリ、マダイと戦いましたが、この辺りのサイズであっても剛性力・パワーは申し分なく、ドラグ調整さえしっかりしていれば問題なく獲ることができました。

本格的な磯場や沖堤防に渡り、メーターを超えるようなバケモノと対峙するような人は別ですが、身近な漁港や堤防、サーフで釣りを楽しむのであれば、21ツインパワーXD以上に最適なリールを他に知りません。

納得がいかないのは「過剰なまでの耐久性」という謎なコンセプトだけであり、リール自体はコアソリッドとクイックレスポンスの中間、ショアソルトゲームにドハマリする唯一無二の性能なのです。

シマノの汎用リールは4年ごとにモデルチェンジする傾向にあります。そのため、ツインパワーXDは2025年にモデルチェンジを果たし、25ツインパワーXDとして登場することが考えられます。

以下は、22ステラ、23ヴァンキッシュ、24ツインパワーに搭載されているテクノロジーと、25ツインパワーXDがどのような形で発売されるかの予想表です。

※C2500S以下の番手はアルミニウム、それより上の番手はマグネシウム

22ステラを皮切りに、23ヴァンキッシュや24ツインパワーにも密巻き仕様となるインフィニティループやインフィニティクロス、アンチツイストフィン、デュラクロスといった最新テクノロジーが搭載されました。

インフィニティループこそ搭載されませんでしたが、23ストラディックもその流れを汲んだことから、25ツインパワーXDはこれら最新テクノロジーに加え、ヴァンキッシュと同じくマグナムライトローターを積んだ、クイックレスポンスに寄せたリールになることが予想されます。

ただし、ボディの材質はマグネシウムではなく、24ツインパワーと同じアルミ+CI4⁺の半プラで構成されることになりそうです。

21ツインパワーXDの教訓を活かし、改名されることも予想されます。ストラディックCI4がヴァンフォードとなったように、ツインパワーXDも新しいネームが与えられるかもしれません。

歴史的な背景や矛盾するコンセプトにより不遇な扱いを受けている21ツインパワーXD。

しかし、実際はオールラウンダー性に特化した唯一無二の性能を誇る優秀な汎用機です。

2025年には新モデルが登場することが予想されるため、インフィニティクロスやインフィニティドライブが搭載されていない現行モデルは型落ち感が否めませんが、それでも素晴らしいリールであることに間違いありません。

25ツインパワーXDはほぼ確実にインフィニティループが搭載されるはずなので、密巻きを欲していない人にとっては特に21ツインパワーXDはオススメです。

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