エギングロッドと言えば一番に思い浮かべるのは、やはりダイワのエメラルダスシリーズ。
その中でもハイエンドに君臨するエメラルダスの代表モデル、ストイスト。2024年4月にはアウトガイドモデル、インターラインモデルそれぞれラインアップが追加され、より攻略の幅を広げており、エギンガー注目度ナンバーワンのロッドだと思います。
購入を迷っているエギングファンも多くいると思いますが、ハイエンドたるゆえに決して安くないお買い物。買って後悔することがないように、使用者の意見を聞いて参考にしたいところです。
ということでダイワのハイエンドエギングロッド、エメラルダスストイストSTを今更インプレ!
STとIL
エメラルダスストイストにはSTとILがあります。
STはアウトガイドモデルのことで、皆さんよくご存知の通り、いくつかある丸い輪っかの中をラインが通る仕組みになっています。
対するILはインターラインモデルのことで、ラインがバット辺りから中空構造のロッドの中を通り、先端から出てくる仕組みです。
アウトガイドモデルの利点は、摩擦抵抗が少ないために飛距離が落ちることなく滑らかにラインが放出されるところにあります。しかし、シャクった際にできるラインスラックによるガイドへの糸絡みや、風によってガイドに引っ掛かったりというライントラブルのリスクがあります。
一方、インターラインモデルの利点はそういったトラブルの少なさが挙げられます。ガイドがないのでラインスラックは竿先~エギ間にしか発生せず、糸絡みなどの心配はほとんどありません。しかし、ラインがロッドの中を通るせいで摩擦抵抗は大きくなり、アウトガイドモデルに比べ飛距離が目に見えて落ちます。
まずは、STとILのそれぞれの特徴を把握してどちらを購入するか選ぶようにしましょう。
ストイストに搭載されているテクノロジー
感性領域設計システム[ESS]
感性領域設計システムとは、「ひずみエネルギー」を解析し、ロッド全体を通してどこが優れているか、どこが足りないかを数値化して明確に把握できるようにしたダイワ独自の設計システムです。これにより、釣り人が理想とする曲がりを実現します。
AGS
ロッドのガイドは普通チタンなどの金属フレームが使われますが、AGSは軽量かつ高感度なカーボンフレームを採用。まるでロッドと一体化したようなガイドにより、ラインから伝わるわずかな情報もダイレクトにブランクに伝達します。
SMT
ロッドの穂先に超弾性チタン合金素材を使ったダイワ独自のテクノロジー、それがSMT(SuperMetalTop)です。
これにより、アタリが解りにくいイカ独特のショートタッチもロッドがしなやかに曲がって反応する繊細さに加え、金属ならではの強度と外傷への強さを兼ね備えたティップとなっています。
※83M-SMT,88ML-SMT,74MMH-SMTのみ搭載
X45X
キャスティングやエギングで行うシャクリといったアクション、及びファイトなどの動作中に発生するネジレを抑えるため、基本のブランク構造の最外層をクロス状にラッピングして強化したテクノロジーがX45X。ネジレによる剛性が飛躍的に上昇し、軽量でありながらタフなロッドに貢献しています。
V-JOINTα
ロッドの継ぎ目に東レの高強度素材ナノアロイを採用し、さらにダイワ独自の技術を施すことで誕生したのがV-JOINTα。継ぎ目が解らないくらい薄く仕上がったジョイント部により、ロッド全体もより細く仕上がっており、振り抜きの良さと高い操作性に貢献しています。
SVF NANOPLUS
東レのナノアロイテクノロジーに加え、ダイワ独自の製法を組み合わせることで軽さ・パワー・ロッドの細身化を実現した超高密度カーボン素材、それがSVF NANOPLUSです。
CWS
ガイドやリールシートをブランクに固定するダイワ独自の技術。カーボンクロスでパーツを固定することで軽量化かつ高い保持力、耐久性の向上を実現しています。
MEGA TOP
73L-Sにのみ搭載されているテクノロジーで、カーボン繊維と樹脂が均一に分散されることで、どの方向にも同様の曲がりを見せます。手に響く感度だけではなく、視覚的にアタリを捉えることにも優れ、通常のソリッドティップに比べ強度が格段に向上しています。
エメラルダスストイストSTのラインアップ
モデル | 全長 | 継数 | 仕舞寸法 | 自重 | 対応エギサイズ | 適合PEライン(号) |
ST 73L-S | 2.21 | 2 | 115 | 77 | 1.8~3.0 | 0.4~0.8 |
ST 88ML-SMT | 2.63 | 2 | 136 | 90 | 1.8~3.5 | 0.4~1.0 |
ST 83M-SMT | 2.52 | 2 | 130 | 89 | 2.5~4.0 | 0.4~1.0 |
ST 74MMH-SMT | 2.24 | 2 | 116 | 85 | 3.0~4.5 | 0.5~1.2 |
ST 82ML-5 | 2.49 | 2 | 60 | 95 | 1.8~3.5 | 0.4~1.0 |
エメラルダスストイスト83M-SMTのインプレ
特筆すべきはやっぱり軽さ
実物をみた最初の印象はロッドのシャープさ。ティップの先からガイド、バットに至るまで研ぎ澄まされているといった感じがひしひしと伝わってきます。
無駄を徹底的に取り除きました!というのがロッド全体から表れています。もうとにかく細い。そして軽い。かと言ってパワーがないわけではなく、大型のアオリイカをしっかりと寄せるには十分な強さがちゃんとあります。
魚と違ってパワーファイトをする釣りではないので、ゆっくりでも寄せてくることができれば勝ちですからね。
こんなに軽くて細いと、スペック通り4号までのエギをちゃんと投げられるのかと不安になりますが、振り抜き具合も申し分なくエギがかっ飛んでいきます。
キャスティングは慣れるまで怖いですが、どんな釣りにおいてもやはり飛距離は武器なので、しっかりとマスターしたいところですね。
異次元の感度
軽さ=感度に繋がるのは当然なのですが、他のエギングロッドとは決定的に違う部分がこのストイストにはあって、それが何かと言うとスーパーメタルトップ。
穂先の先端からガイド3つ分までがメタルトップ仕様となっていますが、ここから明らかにロッドのしなり具合が変わります。
折れてるんじゃないの?というくらいに調子が異なっているんです。
それくらい柔らかいおかげで、風が強い日でも着底が目で解ります。SMTのテクノロジー解説を読んで、本当かと半信半疑でしたが、かなりヤバいくらいで高感度です。当然手元にもコンッという着底の合図が伝わってきます。
これはぜひ体験して欲しい、使う人にしか解らない特権だと思います。
操作性
ロッドが軽いのはもちろんなのですが、リールシートの位置も相まって持ち重りなんてものが一切なく、もはやロッドを持ってるのか解らないような、ロッドと自分の腕が一体化していて、指先からラインが繋がっているんじゃないかと感じるくらい操作性が良い、と言えば伝わるでしょうか。
指先で扱うのと同じくらい繊細な操作ができているイメージ。アジングやメバリングとは違うので、そこまでの繊細なアクションなんて不要なんですが、それも可能でしょう。
ただし、前述の通りスーパーメタルトップの影響か、キャスティングは慣れが必要です。
高級感溢れる外観
個人的にはロッドの性能が良ければ外観なんてさほど気にしない性格なんですが、エメラルダスっていちいち細部までカッコイイですよね。
リールシートなんかもテッカテカで高級感が溢れています。
このAGSの模様も、メッキが剥がれてしまいそうな安っぽい金属フレームと違ってシックでカッコイイです。
ロッドなんですが、細かい部分まで眺めているとマシンチックな感じがしますよね。アパレルもですが、ダイワのデザインは他メーカーに比べて断然好きです。
取り扱いは細心の注意を!
上げてばかりだと胡散臭いのでネガティブな面についても記載しておきますが、軽い、細い、ガイドまでカーボン、スーパーメタルトップ…とロッド自体かなり繊細に作られているので、当然扱いも繊細でなければいけません。
ストイストではないですが、以前AGS製のバスロッドを使用していて、ガードレールに立て掛けただけでガイドがポキっと折れてしまったことがあります。優しく置いたのですが、疲労が溜まっていたのでしょう。それくらい各部繊細なので、直置きはもちろんのこと、移動中なんかの取り扱いにも十分ご注意下さい。
まとめ
間違いなく世界最高峰のエギングロッド、ダイワのエメラルダスストイスト。
正直、バカ高いので購入する前に誰しも一度は迷うと思いますが、年中エギングにちからを注いでいるアングラーにとっては最適なロッドなのではないでしょうか。
ある意味、そうでない初心者にも向いているかもしれません。なかなかアタリを取ることが難しいエギングにおいて、これほどまでに感度に優れたロッドは他にはないでしょうから。ただし、大事に扱える人限定で!
これまで以上に釣果をもたらしてくれること間違いなし。
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