磯に行く前に必要な準備と知識

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近年では、ソーラス条約や釣り人のマナーが問題となり、港湾部や漁港などが次々と立ち入り禁止になっており、釣り人にとっては肩身の狭い想いをしていることと思います。

そのような中でも、自然のフィールドである磯場は特に制限はなく、魚影も濃いことから多くの釣り人が今日も魚を追い求めて足を踏み入れています。

そんな魅力たっぷりの磯ですが、足場が整備された港湾や漁港とは違い、自然むき出しであるために危険が多く、年間何人ものアングラーが命を落としています。

磯に挑戦する人は特に以下のことを気をつけて行動するようにして下さい。

磯デビューに必要な装備

ライフジャケット

磯デビューするために欠かせない装備があります。それはライフジャケット。

入り組んだ複雑な地形になっている磯は、その特殊な地形により三角波という大きな波が打ち寄せることがあります。

ある年の海上保安庁の調査によれば、ライフジャケットを着用せずに船から転落した人の死亡率は、着用している人の2倍以上という結果でした。

救助がすぐに来ない磯場で、ライフジャケットを着用せず海に転落した場合の死亡率は、船から転落した場合と比べはるかに高いことは明白でしょう。

1分1秒でも長く浮いていることが生存率に大きく関わってきます。

必ずライフジャケットは着用するようにしましょう。ここで1つ注意点ですが、ライフジャケットは膨張式ではなく非膨張式を選ぶようにしましょう。

膨張式はその名の通り、水圧に反応してガスが内部に噴出して浮き輪のように膨らむシステムですが、岩肌の荒い磯場ではライフジャケットが破れてしまい、空気が抜けて意味をなさなくなる恐れがあります。

対して、非膨張式のライフジャケットは、素材そのものに浮力があるため、表地が破れても沈むことはありません。

膨張式のほうが嵩張らず動きやすいですが、磯場では非膨張式のライフジャケットを必ず着用するようにしましょう。

フェルトスパイクシューズ

磯場は水で濡れていたり海藻がくっついていたりと、スニーカーなどでは滑りやすく危険です。転倒して頭や身体を打ってしまうこともありますし、海に転落する恐れもあります。

足元からしっかりと装備を整えておきましょう。

フェルトとスパイクが合体したフェルトスパイクシューズがおすすめです。

ブーツタイプやスニーカータイプがありますが、あまり動き回らない釣りであれば防水性の高いブーツタイプを、ランガン主体の釣りならば動きやすいスニーカータイプを選ぶと良いでしょう。

帽子

転倒した際の保護にもなりますし、夏場など暑い日は熱中症予防にもなります。

装備以外の準備と知識

前述した通り、港湾や漁港と違い、磯場は危険がいっぱいです。

釣行前に必ず天候は確認するようにしておきましょう。午前中は天気が良くても、急に荒れだして波が高くなり、足場が水没してしまうかもしれません。

潮汐表も同じです。干満差により、帰るルートが水没してしまうことがあります。

天気予報と潮汐表は釣行前に必ず確認しておきましょう。

磯場に着いたらすぐに釣りの準備を始めがちです。

はやる気持ちを抑え、自分の足場となるところを観察しましょう。濡れていたら波が被るということです。

また、乾いていたとしても、前述したように周期的に三角波のような大きな波が押し寄せることがあります。

自分の立つ足場が本当に安全か見極めるため、30分は様子を見るようにしましょう。

そして釣り座に立ったら、急な大波に対応できるよう退路の確保をしておきましょう。咄嗟の判断ミスが命取りとなってしまいます。

自分の身は自分で守れるよう、最低限の装備と安全意識を持って楽しい釣りをしてください。

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